アナバチ(穴蜂)(読み)アナバチ(英語表記)digger-wasp

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アナバチ(穴蜂)」の意味・わかりやすい解説

アナバチ(穴蜂)
アナバチ
digger-wasp

膜翅目ジガバチ科の昆虫のうち,地中などに穿孔して営巣するクロアナバチ属 Sphexなどの狩人蜂の総称。体長 20~35mmほどで大型ないし中型。いずれもキリギリス類昆虫を幼虫の食物として狩る。クロアナバチ S.argentatusは日本全土,台湾に広く分布する体長 25~30mmの大型種。ツユムシ類,ウマオイクダマキモドキなどを狩る。キンモウアナバチ S.flammitrichusはより大型の種で,前伸腹節に金色長毛を密生する。本州南部から台湾にかけて分布し,クダマキモドキを狩る。自分の体よりはるかに重く大きい獲物を運ぶが,触角をくわえ獲物にまたがって持上げ,木の上によじのぼり滑空したりして,遠距離輸送を行う。ササキリやウマオイを狩るコクロアナバチ Isodontia nigellaは他の虫のあけた枯れ木の小孔や竹筒を利用して営巣し,巣房の仕切りに枯れ草やコケを用いる。

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