シャルコー=マリー=トゥース病(読み)シャルコーマリートゥースびょう(英語表記)Charcot-Marie-Tooth's disease

改訂新版 世界大百科事典 の解説

シャルコー=マリー=トゥース病 (シャルコーマリートゥースびょう)
Charcot-Marie-Tooth's disease

1886年フランスのJ.M.シャルコーとマリーP.Marie(1853-1940),ついで同年イギリスのトゥースH.H.Tooth(1856-1926)によって報告された慢性進行性筋萎縮症で,優性遺伝型,伴性劣性遺伝型,および孤発例が存在する。原因として髄鞘構成関連タンパク質の遺伝子異常がいくつか判明している。20歳未満に潜在性に足指,足など下肢遠位部の伸展筋群優位に脱力萎縮を生じ,やがて近位部や上肢遠位部にも及び,さらに知覚低下も加わる。筋萎縮は大腿の下1/3以下にとくに著しく,茎状足と形容される。歩行時は,下腿伸展筋力低下のため垂れ足を呈する。経過は緩徐進行性で生命予後は良いが,いまだ特別な治療法はなく,やがて臥床生活となる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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