日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ジョンソン(Andrew Johnson)
じょんそん
Andrew Johnson
(1808―1875)
アメリカ合衆国第17代大統領(在任1865~69)。貧しい農民の子として生まれ、テネシー州で仕立屋になる。1828年以降、市会議員、州民主党下院議員、州上院議員、連邦下院議員、テネシー州知事、連邦上院議員を歴任した。50年代なかばに自営農地法を支持。南北戦争に際して奴隷制を容認したが、南部の連邦離脱には反対し、戦争派民主党員になった。62年テネシー州軍政官、64年リンカーン政権の副大統領になり、翌年リンカーン暗殺で大統領に就任。就任後、旧奴隷主勢力の復活を許す反動的再建政策を遂行しようとして、共和党急進派提出の諸法案にことごとく拒否権を発動したが、いずれも乗り越えられた。67年成立の官職保有法を犯し、急進派の路線を支持する陸軍長官を罷免したのを契機に弾劾裁判にかけられたが、1票差で弾劾を免れた。
[竹中興慈]
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