ニオイゼラニウム(英語表記)Pelargonium; scented geranium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニオイゼラニウム」の意味・わかりやすい解説

ニオイゼラニウム
Pelargonium; scented geranium

フウロソウ科多年草で,南アフリカ原産。おもに花を観賞するゼラニウムは,一般に茎葉に異臭をもつが,芳香のある一群を特にニオイゼラニウムと呼ぶ。葉は掌状葉やほぼ円形で,葉裏にある油点に芳香成分を含む。花はピンクや白色,赤色などで,小さめであるが大輪の種類とは違った野性的な魅力がある。代表的なのはローズ・ゼラニウム P.graveolensで,茎葉に触れるとバラの香りがする。ほかにレモンやリンゴなど果物の香りや,ナツメグ,シナモンなどの香辛料に似た香りを放つ種類がある。香りは生のままでも乾燥させても消えず,茶や菓子の香りづけや浴用剤などに利用できる。日当りと水はけのよい環境を好み,凍結しない程度で越冬する。草姿が乱れたら切りつめて整える。挿木で殖やすことができる。

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世界大百科事典(旧版)内のニオイゼラニウムの言及

【ゼラニウム】より

…つた葉ゼラニウムは,つり鉢や大きい花鉢に植え,枝を垂らして仕立てるとみごとである。 テンジクアオイ属は,南アフリカを中心に200種以上が知られているが,観賞用に栽培される種のほかに,ゼラニウムオイルを採取するニオイゼラニウムPasperum Ehrh.ex Willd.など数種が芳香を有し,利用される。種によって芳香が異なり,パイナップル,リンゴ,ペパーミントなどに似た香りをもつものがある。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」