ハチ(蜂)(読み)ハチ

百科事典マイペディア 「ハチ(蜂)」の意味・わかりやすい解説

ハチ(蜂)【ハチ】

アリ科を除く膜翅(まくし)目の昆虫の総称。全世界に約10万種(既知種のみ)を産する。熱帯に種類が多く,大型種や美麗種はほとんど熱帯に限られる。一般に4枚の膜状の翅があるが,雄または雌が翅を欠く種類もある。進化した有剣類では雌の産卵管が毒針も兼ね,防御や狩りに使用される。完全変態で,蛹(さなぎ)は一般に繭を作って蛹化(ようか)。腹部のくびれがない腰太亜目と,腹部第1節と第2節との間でくびれる腰細亜目に大別される。前者はハバチ,キバチ類で植物の葉を食べるものと,茎や幹に食い入るものとがある。後者は肉食性のヤドリバチ類とカリウドバチ類,花粉や蜜を食べるハナバチ類とがある。カリウドバチ類はヤドリバチ類から進化したもので,これからスズメバチ類やアシナガバチ類のような社会性をもつものも現れる。ハナバチ類は下等なカリウドバチ類から分かれたもので,やはり最後にミツバチ類のように社会性をもつようになる。植物を加害する種類には農林害虫が多いが,ミツバチや害虫天敵として働くヤドリバチ類など益虫も多い。

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