ハナネコノメ(花猫の目)(読み)ハナネコノメ(英語表記)Chrysosplenium album var.stamineum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ハナネコノメ(花猫の目)
ハナネコノメ
Chrysosplenium album var.stamineum

ユキノシタ科多年草。福島県から京都府にかけて分布し,深山樹林下の沢沿い湿地に群生する。茎は花後,地表を長くはって伸長し,白色の軟毛がまばらにあり,葉を対生する。葉は扇状円形ないし円腎形で,上縁に3~5個の半円状の鋸歯がある。3月下旬から4月に,長さ3~10cmの花茎の先に1~4個の白い鐘状の花をつける。花弁はなく,萼裂片は4枚で白く円頭または鈍頭。おしべは8本で萼裂片より長く突き出て,裂開前の (やく) は暗紅色を呈する。子房は上位で2心皮からなる。近縁なシロバナネコノメソウ C.album var.albumは本州西部 (近畿,中国地方) ,四国,九州に分布し,おしべは萼裂片とほぼ同長で,茎に白色軟毛が多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android