ベニテングタケ(紅天狗茸)(読み)ベニテングタケ(英語表記)Amanita muscaria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ベニテングタケ(紅天狗茸)
ベニテングタケ
Amanita muscaria

担子菌類マツタケ目テングタケ科。アカハエトリタケともいう。秋に,山林の地上に群生する。初め地中に菌蕾 (きんらい) と称する卵状のものを生じ,その上部からキノコが伸長する。傘は球形から次第に開き最後には平らな皿形になる。直径6~15cm,表面は鮮紅色または橙黄色白色斑点をもつ。柄は径1~3cm,長さ 10~24cmで白色。上部はやや細く下部は球状の壺に入っている。傘の近くによく発達した鍔 (つば) をもつ。胞子紋は白色。猛毒で有名。しかし長野県菅平あたりではこのキノコを乾燥保存し,よく水で煮こぼして食用にあてており,美味で栄養価もある。これはこの毒成分が保存中自己分解し,また残ったものは水溶性であるために除かれるからと考えられる。なおエスキモーなどはこれを酒に漬け,酒の酔い心地を助けているともいう。世界的に広く分布する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android