モリーノ

百科事典マイペディア 「モリーノ」の意味・わかりやすい解説

モリーノ

イタリアの建築家,インテリア・デザイナー,写真家。特に1930年代から1950年代,異彩を放つ作品を数多く残した。トリノ生れ。イタリア合理主義建築の流れを汲む〈トリノ競馬協会ビル〉(1937年)が初期の建築の代表作。一方,ほぼ同じ頃の1938年〈カーザ・ミラー〉と1939年〈デバッレ邸〉では幻想的で合理主義とは対極的なインテリア・デザインを手がけた。1940年代から1950年代,成型合板を使った〈アラベスク・テーブル〉など,きわめて独創的な形態をもった家具を多数制作。1952年―1953年には〈アグラ高原の家〉など山岳建築を手がけ,1965年―1973年〈トリノ王立劇場〉を共同設計。写真家としても評価が高く,ポラロイドを使ったヌード写真では耽美的なエロティシズムに溢れた世界を展開した。レーサーでもあり,1955年マリオ・ダモンテと共作した〈ビジルーロ〉で,ル・マン24時間レースに出場している。1954年よりトリノ工科大学の教授を務めた。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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