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アラベスク arabesque

翻訳|arabesque

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アラベスク
arabesque

連続模様の一種。もと小アジアでギリシア・ローマ時代に使われていた植物連続文様。イスラム美術の主要な装飾モチーフとして使われて様式化が進み,独特の装飾文様として完成,イスラムの代表的な文様となった。これがルネサンス以降西洋の建築,工芸の装飾に採用されたことから,「アラビア風の」という語義をもつこの名称がつけられた。アラベスク文様は左右上下に連続することが必須条件で,そのモチーフは植物,幾何学図文に限らず,動物,人物,架空動物なども自由に使われている。とりわけ西洋のアラベスクは,人物裸像,仮面,架空動物,植物,細密な植物連続文様のイメージが強い。

アラベスク
arabesque

バレエ用語。アラビアの唐草模様を語源とするポーズの一つ。アダージョのゆるやかな動きや,アレグロの活気のある楽しい踊りの,一連の区切りとして使われることが多い。片脚で立ち,上げた脚をまっすぐ後方へ伸ばし,これに対向するように片腕を前方に伸ばし,手の先から上げた脚の爪先まで最も長い線を形づくる。支えの脚はプリエ (膝を曲げる) の場合もある。またポアント (爪先) ,ドミ・ポアントで立つ場合とア・テール (べた足) で立つ場合とがある。このポーズは,C.ブラシスメルクリウス彫像からヒントを得て考案したといわれ,身体の構え方,脚の上げ方でいろいろ呼び名があるが,そのバランスが最も重要。アティチュードとともにクラシック・バレエで男女の区別なく随所でみられる最も特徴的,かつ代表的なポーズである。チェケッティ派には5つ,ワガノワ派には4つ,フランス派には2つの基本的なアラベスクがある。

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知恵蔵の解説

アラベスク

元来は「アラビア風(の唐草模様)」を指す。片足で立ち、もう一方の足を後方に真っすぐ伸ばすポーズ。手と上半身の位置によって数種類ある。バレエにおいて最も美しいとされる形。

(鈴木晶 舞踊評論家 / 2008年)

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デジタル大辞泉の解説

アラベスク(〈フランス〉arabesque)

アラビア風の装飾模様。文字・蔓草(つるくさ)・幾何学図形などを図案化したもの。唐草模様。
装飾的、幻想的な内容の楽曲。
クラシックバレエの基本体勢の一。右手を斜め上に、左手を斜め下に、右足で体重を支え、左足は斜め後方に上げる。
[補説]作品名別項。→アラベスク

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デジタル大辞泉プラスの解説

アラベスク

山岸凉子による漫画作品。1970年代のソビエト連邦を舞台にした長編バレエ漫画。『りぼん』1971年10月号~1973年4月号、『花とゆめ』1974年6月号(創刊号)~1975年22号に連載。集英社りぼんマスコットコミックス全4巻、白泉社花とゆめコミックス全4巻。

アラベスク

ドイツの作曲家ロベルト・シューマンのピアノ曲(1839)。原題《Arabesque》。題名は『アラブ風』を意味する。

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世界大百科事典 第2版の解説

アラベスク【arabesque】

フランス語で〈アラビア風〉の意,とくに装飾文様について多用される。優美な渦巻曲線が直線や放射状の星形文様とリズミカルに錯綜し,シンメトリカルで軽快な無限展開を繰り広げるが,幾何学文様の範疇に入るほど抽象化されたものではない。7世紀前半にアラビアに起こったイスラムは,教義上,人物・鳥獣などのモティーフの採用を禁じた。そのため,美術上の表現にはオリエント古来の幾何学的組紐文や蔓草文に,樹葉,花冠,果実などを図式化したモティーフをからみ合わせた精緻な平面装飾が一貫して用いられた。

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大辞林 第三版の解説

アラベスク【arabesque】

イスラム美術の装飾文様。偶像禁止の教義により、植物の蔓つる・葉・花の図案化、星形の展開など、対称性に富む文様が発達した。ルネサンス期以降のヨーロッパにも広まった。
を思わせるような装飾的かつ技巧的な器楽曲。
バレエで、片足で立ち、他の足を90度以上に開いて上げ、手を前後に伸ばすか両手を前に差し出したポーズ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アラベスク
あらべすく
arabesqueフランス語

原意は「アラビア風の」であるが、美術用語としては、イスラム美術に広範にみられる曲線的な装飾文様をいう。とくに、つる草のような優美な植物が絡み合った唐草模様をさすことが多いが、広義には、複雑に連続する幾何学図形、文様化されたアラビア文字をも含む。さらには、イスラム美術に限定せず、曲線の多い幻想的な装飾文様すべてをさしたり、人像や鳥獣を取り入れたグロテスク文様を含めることもある。[篠塚二三男]
 このことばは、他の芸術ジャンルにも取り入れられた。音楽では、一つの楽想を幻想的、装飾的に展開する作品の題名に用いられた。その初出は1839年出版のシューマンのピアノ小品『アラベスク・ハ長調』(作品18)である。ほかにドビュッシーのピアノ曲『二つのアラベスク』ホ長調・ト短調(1888)、ディーリアスのオーケストラ伴奏の合唱曲『アラベスク』(1911)などがある。バレエ用語としては、片足で立ち、片手を前に、他の手脚(てあし)を後ろに伸ばしたポーズをこの名でよぶ。[関根敏子]

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世界大百科事典内のアラベスクの言及

【バレエ】より

…ジョバンニ・ダ・ボローニャ作の《メルクリウス》像によりC.ブラシスが創始したと伝えられる。アラベスクarabesque片足で立ち片足を後ろに上げ,片手または両手を前に伸ばすポーズ。人体でつくりうる最も長い線を示す。…

【アッバース朝】より

…この古代ギリシアの学術の導入により,イスラム思想界では合理主義的なムータジラ派が盛んになり,一時は彼らの学説が公認教義となったほどである。美術面では,宗教的な理由から絵画や彫刻は発達せず,そのためにかえってアラベスクといわれる装飾模様が発達したが,この時代にはその祖型ともいうべきものができあがった。【森本 公誠】。…

※「アラベスク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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