ラムステット(読み)らむすてっと(英語表記)Ramstedt, Gustaf John

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラムステット」の意味・わかりやすい解説

ラムステット
らむすてっと
Gustaf John Ramstedt
(1873―1950)

フィンランドの生んだ世界的モンゴル学者、アルタイ学者。『ハルハ蒙古(もうこ)語の動詞活用』(1902)、『蒙古文語、ウルガ方言音声比較』(1903)で近代的モンゴル語研究を確立し、モンゴル語語源辞典でもある『カルムイク語辞典』(1935)を著した。1920年から1929年(大正9~昭和4)フィンランド代理公使として在日、その間に行った朝鮮語研究は『朝鮮語文法』(1939)、『朝鮮語語源研究』(1949)、同第2部(1953)、補遺(1954)に結実した。日本語については『アルタイ諸語と日本語の比較』(1924)、『日本語史について』(1942)がある。没後刊行された『アルタイ言語学入門』全3巻(1952~1966)はアルタイ言語学の基礎を築いた。

村山七郎 2018年8月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラムステット」の意味・わかりやすい解説

ラムステット
Ramstedt, Gustaf John

[生]1873.10.22. タンミサーリ
[没]1950.11.25. ヘルシンキ
フィンランドの東洋語学者。アルタイ語(→オイロート語)研究,モンゴル語学の創始者。ヘルシンキ大学卒業。1917~43年同大学教授,この間 1919~29年駐日代理公使を務めた。主著『蒙古文語とウルガ方言の音韻の比較』Das Schriftmongolische und die Urgamundart phonetisch verglichen(1903),『カルムイク語辞典』Kalmückisches Wörterbuch(1935),『朝鮮語語源の研究』Studies in Korean Etymology(1949,索引,1953),『アルタイ言語学序説』Einführung in die altaische Sprachwissenschaft(ペンティ・アールト編,3巻,1952~66)。

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