ロシア新憲法制定問題(読み)ロシアしんけんぽうせいていもんだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロシア新憲法制定問題」の意味・わかりやすい解説

ロシア新憲法制定問題
ロシアしんけんぽうせいていもんだい

崩壊したソ連邦を法的に継承したロシア共和国では,1977年に制定された"ブレジネフ憲法"がそのまま適用されていた。このため旧体制の"遺物"である人民代議員大会と最高会議が温存され,エリツィン・ロシア新政権の改革路線の足かせとなっていた。新生ロシア共和国にふさわしい新憲法草案の作成作業が 90年夏頃から開始されたが,新政治システムと大統領の権限強化に難色を示す保守的な最高会議の反対で,新憲法案は採択されずにきた。しかし 93年 10月4日に最高会議がエリツィン大統領に武力制圧され,同年 12月 12日に行われた国民投票で投票者の 58%が新憲法草案に賛成投票したことで,ようやく決着がついた。新憲法草案には大統領権限の大幅拡大の条項が盛込まれている。

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