人民代議員大会(読み)じんみんだいぎいんたいかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人民代議員大会」の意味・わかりやすい解説

人民代議員大会
じんみんだいぎいんたいかい

ソ連の最高決定機関。権力共産党から国家機関に移行させるために新設されたもので,従来の最高会議に代る。 1988年夏の全ソ党協議会でゴルバチョフが提案,同年 12月憲法が改正されて創設が決定した。代議員は地域,民族,社会団体から各 750人ずつの計 2250人で構成,年2回招集され,憲法の採択と改正,内外政策の基本方針の決定,新設の最高会議代議員および同議長の選出,法律と法令の採択などを行なった。 89年3月の初の人民代議員の選出は複数立候補,秘密選挙で行われ,モスクワやレニングラードで党幹部が多数落選する一方,改革派のエリツィンが圧倒的多数で当選するなど,これまでの選挙とは大きな違いをみせた。第1回人民代議員大会は 89年5月に開催,かつてない自由で活発な討論が展開され,テレビでも放映されて国民に新鮮な驚きを与えた。 90年3月に開かれた第3回臨時大会は大統領制と複数政党制を導入することを決定した。8月クーデターのあとの 91年9月の臨時大会で廃止が決定したものの,ロシア連邦成立後も存続した。反エリツィン色を次第に強めたため,93年9月,エリツィンは人民代議員大会と最高会議の解体宣言。この強硬措置は両派の銃激戦にまで発展したが,大統領派が勝利し人民代議員大会はロシア連邦議会に取って代られた。

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