六国五味(読み)りっこくごみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「六国五味」の意味・わかりやすい解説

六国五味
りっこくごみ

香木は銘のあるものだけでも数百種に及び,それを産地と香味との組合せで分類した分類規準ともいうべきもの。香道で用いる香木は伽羅 (きゃら。インド産) ,羅国 (タイ,ミャンマー産) ,真那伽 (まなか。マラッカ産) ,真南蛮 (まなばん) ,寸聞多羅 (すもたら。スマトラ産) ,佐曾羅 (さそら) の六国とし,東南アジア産とされる。日本内地産の香木は,薫物 (たきもの) には使うが香木には含めず,香道では用いない。香味は甘,酸,辛,苦,鹹 (かん) の五味とし,六国に五味を組合せて分類する。組合せ方は流派により異なる場合もある。

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世界大百科事典(旧版)内の六国五味の言及

【香木】より

…彼が所持した177種の名香木は死後東山殿の所有に帰したと伝えられる。
[六国五味]
 香木の名称については,伽羅木(きやらぼく),伽藍木(からんぼく),伽南木(かなんぼく),棋楠(きなん),奇楠(きなん)などと諸書に書かれているが,いずれも伽羅のことで,香木の佳品を総称する場合もある。16世紀天正ころの《建部隆勝筆記》,蜂谷宗悟《香道軌範》,さらに《山上宗二記》等には伽羅,羅国(らこく),真南班(真那蛮)(まなばん),真南賀(真那賀)(まなか)および新伽羅の名称が見え,これに佐曾羅(さそら),寸門多羅(すもんだら)を加えて6種に分類し,これを〈香の六国(りつこく)〉と称した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」