取り下げ論文(読み)とりさげろんぶん

知恵蔵 「取り下げ論文」の解説

取り下げ論文

論文内容に再現性がなかったり、何らかの不正が見つかったりした場合、筆者が論文の取り下げを申し出るのが科学界のしきたりだ。英語の論文誌約4800誌を網羅する世界最大級の医学・生物文献データベース「MEDLINE」のインターネットによる一般公開版「パブメド」を朝日新聞社が調べた結果、取り下げ論文は1987年から2005年までに553件あり、特にサイエンスネイチャーなどの有名科学誌に多かった。取り下げの理由は「データ処理の間違い」などのミスほか、「データの捏造改ざん」「他人のデータの盗用」「二重投稿」などの不正行為もある。

(高橋真理子 朝日新聞記者 / 2007年)

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