不正(読み)フセイ

精選版 日本国語大辞典 「不正」の意味・読み・例文・類語

ふ‐しょう‥シャウ【不正】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. ふせい(不正)
    1. [初出の実例]「大方天地の間ありとある人、陰陽の気をうけたり、不正にしてはたつべからず」(出典:神皇正統記(1339‐43)上)
  3. ふせい(不正)
    1. [初出の実例]「髁は不正にして不定の㒵也」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)一〇)
  4. 不吉であること。不祥。
    1. [初出の実例]「啼時は人不正の気を抱て、かならず凶事をひいて愁を向ふ」(出典:俳諧・折つつじ(1772)烏之賦)

ふ‐せい【不正】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 正しくないこと。正当でないこと。正義でないこと。また、その行ないやさま。よこしま。ふしょう。「不正を働く」「不正入札」
    1. [初出の実例]「門閥専制の政を不正なりとて」(出典:文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉二)
  3. きちんとしていないこと。ふぞろいであること。形などがゆがんでいること。また、そのさま。不整。ふしょう。
    1. [初出の実例]「屋根と物干台とに限られた、薄曇の空が trapèze のやうな不正な形になって見える」(出典:吃逆(1912)〈森鴎外〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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