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しきたり しきたり

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

しきたり
しきたり

ある社会に共通してみられる行動様式を基礎にして成立した、一種の社会規範social normsをいう。その社会の大半の成員によって、標準的で持続的な行動の型として守られる慣習のことである。こうした慣習は、親類・近所づきあい、商取引、宗教行事、冠婚葬祭ことば遣い、公衆道徳、芸能・娯楽などにおいて、一定のルールとして定められたものである。それは、社会的行動の基準となるものであるが、意味づけや機能に関して、二つのタイプが区別される。
 その一つは、習俗folkwaysとよばれる慣習である。それは、特定の社会や集団において、古くから伝えられてきた適切なふるまい方をさしている。ただし、社会的に是認されてはいても、かならずしも社会的道徳として重要だとは考えられていない。この種の慣習に対しては、無意識的ないし自動的に同調することになる。それは子供の社会化を通して、世代的に伝達される。それの違反に対する非難、制裁は弱い。第二のタイプは、習律またはモーレスmoresと称される慣習である。それへの同調は任意選択ではなく、違反に対しては厳しく罰せられる。一種の慣習法であるが、成員はそれに対して、善や正義の観念を抱き、それの維持が集団の福祉に必須(ひっす)だと信じるものをいう。アメリカの社会学者サムナーの『習俗論』(1907)で、これら二つが区別された。[濱口恵俊]
『W・G・サムナー著、青柳清孝・園田恭一・山本英治訳『現代社会学大系3 フォークウェイズ』(1975・青木書店)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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