多古(町)(読み)たこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「多古(町)」の意味・わかりやすい解説

多古(町)
たこ

千葉県北東部、下総(しもうさ)台地上に位置する香取郡(かとりぐん)にある町。1891年(明治24)町制施行。1951年(昭和26)東條(とうじょう)村、1954年久賀(くが)、中、常磐(ときわ)の3村と合併。町名はかつて湖沼が多かったことに由来するとか、農民の意の田子、多胡(たこ)などが転じたともいわれる。町内を栗山(くりやま)川と多古橋川が南流、いずれも両総(りょうそう)用水に通じる。国道296号が走り、成田国際空港と九十九里(くじゅうくり)とを結ぶ。中世、千葉氏の支配後、近世初期には保科(ほしな)氏が1万石で入って多古藩のもととなり、土方(ひじかた)氏(1万5000石)を経て久松松平氏(8000石、のち1万2000石の大名)の治政が長く続いた。1910年(明治43)成田―多古間に軽便鉄道が敷設されたが、第二次世界大戦中に廃止された。栗山川の低地は多古米の産地として知られるが、畜産やいも類、野菜の生産が増えてきた。国際空港開設に伴って工業団地、住宅団地が建設された。八坂神社の「多古のしいかご舞」は農民の素朴な豊作祈願、悪疫追放の舞で、国の選択無形民俗文化財。面積72.80平方キロメートル、人口1万3735(2020)。

[山村順次]

『菅沢子甲著『多古町史』(1967・自費出版)』


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