田子(読み)タゴ

デジタル大辞泉 「田子」の意味・読み・例文・類語

た‐ご【田子】

田を耕作する人。農民
「白い股引に藁草履わらぞうりを穿いた―そのままの恰好して」〈嘉村途上

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精選版 日本国語大辞典 「田子」の意味・読み・例文・類語

たご【田子】

  1. 静岡県富士市の南西部の地名。南に田子の浦港がある。
    1. [初出の実例]「源氏は〈略〉多胡(タゴの)宿(しゅく)富士川のはた、木の下、草の中にみちみちたり」(出典源平盛衰記(14C前)二三)

た‐ご【田子】

  1. 〘 名詞 〙 田を耕す人。農民。
    1. [初出の実例]「時すぎば早苗もいたく老いぬべし雨にも田子はさはらざりけり」(出典:貫之集(945頃)四)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「田子」の意味・わかりやすい解説

田子(町)
たっこ

青森県南東部、三戸郡(さんのへぐん)にある町。1928年(昭和3)町制施行。1955年(昭和30)上郷(かみごう)村と合併。秋田・岩手県境の奥羽山脈台地にあり、町域のほとんどは山地で占められ、熊原川とその支流にわずかな平地がある。中心の田子は古くから交通の要所で、来満峠(らいまんとうげ)を越えて鹿角(かづの)地方(秋田県)へ通じる鹿角街道に沿い、物資の集散地でもあった。国道104号が通じる。米、雑穀リンゴタバコニンニク、木材などを産し、また肉牛乳牛を導入して食肉の一大供給地を目ざしている。町の西部に弥勒(みろく)の滝や白萩平(しらはぎたい)、迷ヶ平(まよがたい)などの観光地がある。面積241.98平方キロメートル、人口4968(2020)。

横山 弘]


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改訂新版 世界大百科事典 「田子」の意味・わかりやすい解説

田子[町] (たっこ)

青森県三戸(さんのへ)郡の町。人口6175(2010)。県最南端に位置し,岩手・秋田両県と接する。奥羽山脈東斜面の山地と馬淵(まべち)川の支流熊原川沿いの低地からなり,町域の80%を山林が占める。中世は南部氏が拠った三戸城の支城田子館が置かれた。近世は鹿角(かづの)(秋田県)に至る鹿角街道の宿場町で,10の日の三斎市が開かれていた。現在は米作,タバコ,リンゴの栽培のほか,丘陵地では肉牛,乳牛の飼育が盛んで,広大な放牧地が点在している。自然休養林に指定された迷ヶ平(まよがたい)などキャンプ場も多い。南部藩の御用神楽であった田子神楽が伝わる。
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百科事典マイペディア 「田子」の意味・わかりやすい解説

田子[町]【たっこ】

青森県南部,三戸(さんのへ)郡の町。馬淵(まべち)川の支流熊原川の上流部,奥羽山脈の東斜面を占め,山地が広く,耕地が少ない。ニンニク,リンゴ,タバコ,米を産し,畜産も行う。東日本大震災で,町内において被害が発生。241.98km2。6175人(2010)。

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