如何にせん(読み)いかにせん

精選版 日本国語大辞典 「如何にせん」の意味・読み・例文・類語

いかに【如何に】 せん

(副詞「いかに」に、サ変動詞「す」の未然形「せ」、推量助動詞「む」の付いたもの)
[1]
① 為すべき方法、手段をためらい疑って、困った気持を表わす。どうしよう。どんなにしたらよかろうか。
万葉(8C後)一五・三七一二「ぬば玉の妹が干すべくあらなくにわが衣手を濡れて伊可爾勢牟(イカニセム)
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院「仲頼『いかにせん』と思ひ惑ふに」
② 嘆きあきらめる気持。どうしようもない。しかたがない。
※万葉(8C後)一四・三四一八「上つ毛野佐野田の苗の占なへに事は定めつ今は伊可爾世母(イカニセモ)
[2] 催馬楽、律の歌の曲名。「楽家録‐六」所収の「いかにせんや、をしのかもとり」で歌い出されるもの。
[補注]上代東国では、(一)②の挙例万葉集」のように「む」が「も」と変化していた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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