島牧(読み)しままき

改訂新版 世界大百科事典 「島牧」の意味・わかりやすい解説

島牧[村] (しままき)

北海道西部,後志(しりべし)支庁島牧郡の村。北は日本海に面する。人口1781(2010)。古くは〈シマコマキ〉と呼ばれ,アイヌ語の〈シュマ・コ・マキ岩石の後)〉に由来するとされるが不詳。文化年間(1804-1818)に江差の人が運上屋を開設して以来ニシン漁で栄えた。海岸部には漁業集落が点在し,小河川の流域には農地が見られる。おもな漁獲物にはホッケ,イカ,タコなどがある。農業は零細経営の農家がわずかな水田畑作を営む程度である。狩場山(1520m)が断崖をなして海におちこむ茂津多(もつた)岬を貫くトンネル(全長1974m)が1976年に完成したことで,国道229号線(追分ソーラン・ライン)により隣の瀬棚町(現,せたな町)と陸路で結ばれた。岬付近の海岸は安山岩堆積岩の奇岩絶壁が続く景勝の地として知られ,夏季は道央からの観光客でにぎわう。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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