引っ張り(読み)ヒッパリ

デジタル大辞泉 「引っ張り」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐ぱり【引っ張り】

引っ張ること。
路傍に立って通行人の袖を引っ張って客をとった売春婦。よたか。つじぎみ。
夜鷹だか、―だか」〈魯文西洋道中膝栗毛
合同ですること。共同
ここでは花も―にもらふきめとみえた」〈滑・膝栗毛・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の引っ張りの言及

【街娼】より

… 明治以後における都市社会の急速な発展は,街娼の増加を促すとともに質的な多様化をもたらした。横浜に現れた〈引っ張り〉は外国船員相手の街娼で,代価の10銭からテンセン・オーライの異名をとったが,明治末期になると上級船員をねらって身なりもよく代価3~5円の高級街娼が出没した。昭和初年に東京の銀座などに出現した街娼はこれと同系であり,彼女らをストリートガール(これは和製英語で,英語ではstreet‐walkerなど)と呼んだのは,多くが洋装していたために,従来のうすぎたない街娼とは別種のものとみられたからである。…

【夜鷹】より

…江戸の本所割下水の吉田町は夜鷹の根拠地として有名で,ここから神田辺にまで出向いて稼いだ。幕末に出現した〈引っ張り〉と呼ばれる街娼は,出没場所や平均年齢に差があったともいわれるが,実質は夜鷹と変わらず,異質の街娼があらわれるのは明治以後のことである。街娼【原島 陽一】。…

※「引っ張り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」