心にもあらず(読み)ココロニモアラズ

デジタル大辞泉 「心にもあらず」の意味・読み・例文・類語

こころにもあら◦ず

自分本心ではない。
「ここにも―◦でかくまかるに」〈竹取
気がついていない。思わず知らず。
「いたうこうじ給ひにければ、―◦ずうちまどろみ給ふ」〈明石

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精選版 日本国語大辞典 「心にもあらず」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 にも あらず

① 思わず知らずのさま。無意識である。
土左(935頃)承平五年一月一三日「なにの葦蔭にことづけて、ほやのつまのいずし、すしあはびをぞ、こころにもあらぬ、はぎにあげて見せける」
本意ではない。気が進まない。
※竹取(9C末‐10C初)「ここにも心にもあらでかくまかるに、昇らんをだに見送り給へ」
③ 思いもかけない。意外だ。
※宇津保(970‐999頃)春日詣「世の中は心にもあらぬ物なり。さばかりいみじく思ひながら、などさはありけん

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