煙となる(読み)ケブリトナル

デジタル大辞泉 「煙となる」の意味・読み・例文・類語

けぶりとな・る

焼けてなくなる。
「時の間のけぶりともなりなん」〈徒然・一〇〉
火葬にされる。
「同じ―・らせ給ふもいみじう悲し」〈栄花・ゆふしで〉

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精選版 日本国語大辞典 「煙となる」の意味・読み・例文・類語

けぶり【煙】=と[=に]なる

① 死んで火葬にされる。死ぬ。
源氏(1001‐14頃)柏木「ゆくへなき空のけぶりとなりぬとも思ふあたりをたちやはなれじ」
② 焼失する。焼けてなくなる。
※源氏(1001‐14頃)橋姫「見し人も宿もけぶりになりにしをなにとて我が身きえのこりけん」
③ (焼けてなくなるように)すっかりなくなってしまう。
大つごもり(1894)〈樋口一葉〉下「身代烟(ケフ)りと成りて消え残る我等何とせん」

けむり【煙】=と[=に]なる

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