橋姫(読み)ハシヒメ

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

橋姫 はしひめ

伝説上の神。
橋をまもるため,橋のたもとにまつられた。宇治の橋姫や摂津西成郡(大阪府)の長柄(ながら)の橋姫が知られている。嫉妬(しつと)ぶかい鬼神とされる場合がおおい。

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世界大百科事典 第2版の解説

はしひめ【橋姫】

橋のたもとに橋姫とか橋姫明神とかいって,橋の神霊がまつられることが多い。山城の宇治の橋姫や摂津の長柄(ながら)の橋姫は有名だが,京都の五条橋(今の松原橋)や近江の瀬田橋のたもとにも橋姫がまつられていた。橋姫は,宇治の橋姫のように,嫉妬深い鬼神とされる場合が多い。瀬田橋の付近でも鬼女が人々を悩ましたとする説話が《今昔物語集》などにもあって,これも橋姫であろうと考えられている。諸国の伝説でも橋姫のねたみを恐れて嫁入りの行列が通るのを忌む橋があり,橋の近くで赤子を抱いた女性にあって,頼まれてその赤子を抱くと急に重くなったというものがある。

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大辞林 第三版の解説

はしひめ【橋姫】

橋を守る神。女神で、嫉妬深いと伝えられる。 → 宇治の橋姫
源氏物語の巻名。第四五帖。

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精選版 日本国語大辞典の解説

はし‐ひめ【橋姫】

(古くは「はしびめ」とも)
[1] 〘名〙
① 橋を守る女神。特に、京都府宇治市の宇治橋にいる女神を宇治の橋姫といいならわした。
※古今(905‐914)恋四・六八九「さむしろに衣かたしき今宵もやわれを待つらむ宇治の橋姫〈よみ人しらず〉」
② 江戸時代、橋のたもとに立つ街娼や、その近くの茶屋の私娼などをいう。
※俳諧・水馴棹(1705)「橋姫や不男等にもさねかづら」
[2] 「源氏物語」第四五帖の巻名。薫二〇歳から二二歳の一〇月まで。薫は出家を思う心から宇治に隠棲する八の宮を訪ね、大君と中君を知り、山荘の模様を匂宮に語る。また、大君に仕える弁のおもとから、自分の出生の秘密を知らされる。宇治十帖の第一。

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世界大百科事典内の橋姫の言及

【鬼】より

…恨みを晴らすために人に憑(つ)く生霊や死霊は普通は目に見えないが,鬼と同一視された。神仏に祈願して肉体を鬼に変えて恨みを晴らす《平家物語》剣の巻の宇治の橋姫も,この種の鬼である。いま一つの契機は年を取り過ぎることである。…

【能面】より

…ほかに阿形では天神,黒髭(くろひげ),顰(しかみ),獅子口など,吽形では熊坂(くまさか)がある。能面の鬼類では女性に属する蛇や般若,橋姫,山姥(やまんば)などのあることが特筆される。(3)は年齢や霊的な表現の濃淡で区別される。…

※「橋姫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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