知覚・智覚(読み)ちかく

精選版 日本国語大辞典 「知覚・智覚」の意味・読み・例文・類語

ち‐かく【知覚・智覚】

〘名〙
① 知りさとること。知り感じとること。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)八「此生あて知覚あり、知覚は此生恃む」 〔後漢書‐杜詩伝〕
思慮分別をもって知ること。心で外界事物を認識するはたらき。
※明和本正法眼蔵随聞記(1235‐38)四「心と云は念慮知覚なりと思ひ、心は草木なりと云へば信ぜず」
③ 感覚器官を通して外部の物事を判別し、意識すること。また、そのはたらき。
※遁花秘訣(1820)牛痘の種法を拒み誹謗するの弁「知覚ある薄き表皮の上なれば」
※刺青(1910)〈谷崎潤一郎〉「娘は次第次第に知覚を恢復して来た」
[語誌](1)日本では多く仏書で②の意に用いられた。
(2)「蘭語訳撰」(一八一〇)では gevoel の訳語に用い、③の挙例「遁花秘訣」も感覚器官の働きを指しているから、「感覚」の意を派生したのは近世のことと思われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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