δ硫黄(読み)デルタイオウ

化学辞典 第2版 「δ硫黄」の解説

δ硫黄
デルタイオウ
δ-sulfur

硫黄同素体一つと考えられている.ムートマン硫黄-Ⅳ(Muthmann's sulfur-Ⅳ)ともよばれ,1890年にMuthmannにより,5 ℃ に冷却した硫化アンモニウムのエタノール溶液に硫黄を溶解したものを空気に接触させて,はじめて得られた.室温で放置すると,すぐに斜方晶系硫黄に変化する不安定な薄黄色の六角板状晶.二硫化炭素に可溶.液体硫黄の結晶過程で出現するともいわれていることから,準安定の八硫黄の可能性がある.回折データは報告されていない.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

イチロー

[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...

イチローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android