《オルフェオ》(読み)おるふぇお

世界大百科事典(旧版)内の《オルフェオ》の言及

【イタリア音楽】より

…カメラータのリヌッチーニOttavio Rinuccini(1562‐1621)の台本,ペーリの作曲による《エウリディーチェ》(1600)は,今日まで伝えられた最古のオペラである。その後オペラは,マントバの宮廷に引き継がれ(モンテベルディ作曲《オルフェオ》など),1637年にベネチアに公開劇場が作られてからは,同市やローマ,次いでナポリなどで,市民の芸術として隆盛をきわめた。18世紀前半のナポリでは,従来のような神話劇,歴史劇としてのオペラのかたわらに,現代喜劇としてのオペラが成立して発展し,前者はオペラ・セーリア(重厚なオペラの意),後者はオペラ・ブッファ(ふざけたオペラの意)と呼ばれるようになった。…

【オペラ】より

… さらに,これらのヨーロッパ周辺の民族性の強い国々だけでなく,音楽の発展の主流を担ったヨーロッパ中枢部の国々においてさえ,国民性・民族性の差異は顕著であった。グルックの《オルフェオ》にはウィーン版(イタリア語)とパリ版(フランス語)があり,ワーグナーの《タンホイザー》にもドイツ語版とフランス語版があるが,両者ともフランスで上演するに当たっては,フランスの人たちのバレエ好みを考慮して,大幅な手直しを行っている。ついでながら,自然発生的にオペラが生まれたイタリア以外の諸国では,いずれの国でも,オペラは外から移入された芸術であった。…

【オルフェウス】より

…【水谷 智洋】
[音楽]
 16世紀末にオペラが起こって以来,オルフェウスとエウリュディケの伝説は,それが愛と死,歌の力という三つのモティーフをからみあわせた筋書をもつがゆえに,好んでオペラの題材に取り上げられた。初期のオペラの輝かしい名作であるモンテベルディの《オルフェオ》(1607),グルックの改革オペラの代表作《オルフェオ》(1762)は特に有名である。オッフェンバックの《地獄のオルフェ》(1858。…

【バイオリン】より

…その最初の例は,L.マレンツィオの〈シンフォニア〉(1589)である。他方クレモナ出身のモンテベルディはオペラ《オルフェオ》(1607)の中でバイオリンを使い,バイオリンがオーケストラの中心的楽器としての地位を確立していく道を開いた。 17世紀のバイオリン音楽は,それまでの主要な弦楽器であったビオルの奏法への依存から脱して,バイオリン特有の技巧とともに,劇場での華やかな歌唱から影響を受けた,独自の器楽的表現を確立していった。…

【ハープ】より

…全音階が基本であったが,多声音楽が興隆した16,17世紀に出現したダブル・ハープdouble harpは,半音階を交えた二重の弦列が与えられている。モンテベルディの《オルフェオ》の楽譜に指定されている〈arpa doppia(二重ハープ)〉はこの型にほかならない。17世紀のウェールズに現れたトリプル・ハープtriple harpも,同じ目的で作られたもので,三重の弦列を備えていた。…

【モンテベルディ】より

…1590年からマントバ公の宮廷にビオラ奏者として仕え,1601年には楽長になった。マントバ時代の作品には《マドリガーレ集》第3~5巻(1592,1603,05),オペラ《オルフェオ》(1607),《アリアンナ》(1608),教会作品《聖母マリアの夕べの祈り》(1610)などがある。これらの作品には通奏低音,ホモフォニー,自由な和声進行,大胆な不協和音,表現的なレチタティーボ,壮麗なコンチェルタート(声と楽器,あるいは声同士,楽器同士を対比的に掛け合わせる技法),楽器の豊富な使用など多くの新しい音楽の特徴がみられ,彼の音楽が劇的表現に満ちたバロックへと足を踏み入れたことを示している。…

※「《オルフェオ》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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