日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロローグ」の意味・わかりやすい解説
プロローグ
ぷろろーぐ
prologue
「序詞」「序幕」「前口上」などと訳される。劇の開幕に先だって口上役が登場して、当時の政治や社会への批評を絡ませたりしながら劇の大筋を説明する場合と、短い一場面を設けて、これから始まる劇の内容を暗示する場合の二つの形がある。紀元前4世紀のエウリピデスに始まるとされるが、一般化するのはルネサンス期で、エリザベス朝時代はコーラスの名でよばれた。とくに王政復古期から18世紀にかけてヨーロッパ各国の演劇で盛んに用いられた。また、オペラ、バレエ、音楽の独立した序の部分や、詩、小説の冒頭部分をもさし、物事の始まりや発端を示す一般用語としても使用される。エピローグの対(つい)の用語。
[高師昭南]