《大織冠伝》(読み)たいしょくかんでん

世界大百科事典(旧版)内の《大織冠伝》の言及

【家伝】より

…《藤氏家伝》ともいう。始祖〈鎌足伝〉(〈大織冠伝〉)を上巻,鎌足の孫〈武智麻呂(むちまろ)伝〉を下巻として《群書類従》に収められている。伏見宮家本には鎌足の長子〈貞慧(定恵)伝〉を付す。…

【藤原鎌足】より

…幼名は仲郎とも伝えられるから,早世した兄がいたのであろう。早くから儒教の古典や兵法に親しみ,青年時代には《日本書紀》によれば南淵請安(みなぶちのしようあん),《大織冠伝(たいしよくかんでん)》によれば僧旻(みん)ら,唐からの帰国者について学び,官途にはつかなかった。飛鳥寺の蹴鞠の会で脱げた皮鞋(かわぐつ)を捧げ,中大兄(なかのおおえ)(後の天智天皇)と親しくなった逸話は有名。…

【藤原仲麻呂】より

… 仲麻呂の施策には,雑徭日数の半減や課役年齢の短縮,問民苦使(もみくし)の派遣など人心の安定をはかるものがみられるが,多くは唐制の模倣であり,このことは乾政官(太政官),坤宮官(紫微中台)などの官号の唐風化や,歴代天皇の漢風諡号(しごう)の撰進にもみられ,またそこには《孝経》を各家に所持させ,《維城典訓》を官人の必読書とする政策と同じように,仲麻呂の儒教好みがあらわれている。さらに757年養老律令の施行は,祖父不比等の顕彰を目的とするが,藤原氏の《家伝》を編纂し,みずからが〈鎌足伝〉(〈大織冠伝〉)を書いたのも同じ意図に出るものであった。そのほか《日本書紀》に続く正史編修を発議し,また《氏族志》の編纂も手がけたが,それらはのちの《続日本紀》や《新撰姓氏録》の先駆となった。…

※「《大織冠伝》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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