あいだる(読み)アイダル

デジタル大辞泉 「あいだる」の意味・読み・例文・類語

あい‐だ・る

[動ラ下二]甘える。
「いと若やかになまめき、―・れて物し給ひし」〈柏木

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精選版 日本国語大辞典 「あいだる」の意味・読み・例文・類語

あい‐だ・る

  1. 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 甘ったれる。甘えてなよなよとする。はにかんでもじもじする。
    1. [初出の実例]「あまの子なれば、とて、さすがにうちとけぬさま、いとあいだれたり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)

あいだるの語誌

「愛垂る」という語構成が考えられているが、未詳用例が少なく語義もはっきりしない。「観智院本名義抄」に「 アイタレ」とあり、「新撰字鏡」では、同じ文字について「 好也 也 戯也 悦也 保志支万々 又阿佐礼和佐須」とある。挙例の「源氏物語」や「海人刈藻物語」などでは人物の風貌や態度をなよなよとしてなまめかしい王朝的美質としてとらえているが、「天正本節用集」には「愛礼 アイダレ ウツケノコト」とあり、きりっとした所がないといったマイナス評価にも通じたか。

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