法則の辞典 「アイリングの粘度式」の解説
アイリングの粘度式【Eyring's viscosity equation】
ここで V は分子容(モル体積),⊿G はギブス自由エネルギー*の変化分である.
アイリング(H. Eyring)は,液体を多数の空孔をもった固体と見なして,流動は隣接した空孔から粒子が移動してくることで行われるというモデルを考えた.このモデルによると,液体中に空孔をつくるエネルギーは,その空孔に位置する分子の蒸発エネルギーに等しくなる.つまり分子の移動は,これと同じだけの高さのポテンシャル障壁があるような,一種の化学反応と見なすことができる.このアナロジーから上のような式を導いた.
この式は変形するとアンドラーデ(アンドレイド)の粘度式*η=Aexp(E/RT)と同じ形になる.