アガスティヤ(その他表記)Agastya

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アガスティヤ」の意味・わかりやすい解説

アガスティヤ
Agastya

インド神話における有名な聖仙 ṛṣiの一人。すでに『リグ・ベーダ』に登場する。「壺から生じた者」 Kumbhodbhavaとも呼ばれ,大海を飲み干したという伝説がある。『マハーバーラタ』『ラーマーヤナ』などの叙事詩,および古典期の文学作品にしばしば登場する。また,南インドのタミル文学元祖と仰がれ,サンガム Sangamという文学アカデミーをマドゥラに創設し,作品の良否を判定したといわれる。文典をつくったというが,いまに伝わらない。弟子のトルカーピヤが著わしたという文法書は,タミル語最古の文典とされる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android