日本大百科全書(ニッポニカ) 「アキタスギ」の意味・わかりやすい解説
アキタスギ
あきたすぎ / 秋田杉
[学] Cryptomeria japonica D. Don var. radicans Nakai
スギの林業品種で、秋田県地方の天然スギに源を発し分類学的にはアシオスギに属する。分布域は秋田県内の一部、青森県南部、岩手、山形、宮城県の一部にまたがる。秋田県上岩川流域のイワガワスギ、桃洞のトウドウスギ、青森県鰺ヶ沢(あじがさわ)のアジガサワスギ、岩手県雫石(しずくいし)町のオウシュウスギ、山形県小国(おぐに)町のウバスギ、戸沢のヤマノウチスギなどは耐寒性、耐雪性が強いので有名でこれらもアキタスギに含める。アキタスギは樹皮でアミ、トヨ、ハナレ、マツ、アカ、シロの6品種に分けられる。海抜600メートル以下に分布し、ブナ、ミズナラ、トチノキ、カエデ類などと混生することが多い。建築、家具など多方面に利用される。
[林 弥栄]
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