戸沢(読み)とざわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「戸沢」の意味・わかりやすい解説

戸沢(村)
とざわ

山形県中北部、最上郡(もがみぐん)の村。1955年(昭和30)戸沢、古口(ふるくち)、角川(つのかわ)の3村が合併して古口村となったが、同年戸沢村改称出羽(でわ)山地に位置する農山村で、村域のほぼ中央を最上川が鮭(さけ)川、角川を合流しながら西流。近世には戸沢氏新庄(しんじょう)藩の所領で、中心の古口は最上川舟運の要衝で口留番所があった。現在は出羽山地をうがつ最上峡約12キロメートルの観光舟下りの基点。最上川県立自然公園の一部で、草薙(くさなぎ)温泉がある。最上川に沿ってJR陸羽西線と国道47号が通じる。面積261.31平方キロメートル(一部境界未定)、人口4199(2020)。

中川 重]

『『戸沢村史』(1988・戸沢村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「戸沢」の意味・わかりやすい解説

戸沢[村] (とざわ)

山形県北部,最上郡の村。人口5304(2010)。最上地方の西端,出羽山地中にあって,中央部を最上川が西流する。支流鮭川,角(つの)川が北と南から合流する付近は水害の常襲地。JR陸羽西線,国道47号線が通る中心集落の古口(ふるくち)は近世には最上川舟運の要地であった。主産業は農業であるが,耕地が少なく豪雪地帯であるため,若年層の流出や出稼ぎが多く,過疎地域,山村振興地域に指定されている。近年,女子雇用型企業の誘致や山菜加工の地場産業の振興が図られている。最上川舟下りの乗船場や草薙(くさなぎ)温泉,今神温泉,最上川スキー場などがある。
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