甲殻綱フクロエビ上目アミ目アミ科Mysidaeとこれに近縁なものの総称。魚類の天然餌料として重要であるばかりか,汽水・淡水産のものは漁獲され,つくだ煮として食用にされるほか,イワシ,アジなどを捕獲する餌として,また,養魚,養鶏などの餌としても用いられている。体長0.5~2cmくらい。形はエビ類やオキアミ類(いずれも甲殻綱ホンエビ上目)に似ているが,形態上の特徴が異なる。アミ類では,背甲が胸部の大部分を覆っているが,第4胸節より後方では胸部から遊離している。胸脚には鋏脚(きようきやく)となっているものがなく,第1,2対では咀嚼(そしやく)に適した顎脚に分化し,その他は内外肢に枝分れし,遊泳剛毛を生じているので,古くはオキアミなどとともに裂脚目という一群に分類されていたこともあった。胸肢基部に鰓(えら)をもたず,背甲内にある網状構造で呼吸を行っている。雄の第8胸脚基部には小さい陰茎がある。成熟すると雌は胸脚内側の基部から発達した2~3対の薄くて大きな覆卵葉が重なり合ってできた大きな育房の中に産卵する。ここから英名もopossum-shrimp(オポッサムは南・北アメリカにすむ有袋類)と呼ばれる。受精卵はこの中で発育し,成体と同様な全胸脚を備えた形となって育房を去るので,エビやオキアミのような特別な幼生期をもたない。腹肢は退化の傾向にあって,雌ではほとんど退化している。尾肢の内肢基部近くに円盤状に見える平衡器をもつ。生存期間はふつうは1年,寒海種で1.5~2年くらいといわれている。大部分が海産で,沿岸から深海まで生息し,外洋では昼夜により浅深の垂直移動も見られ,季節的に沿岸近くに回遊するものもある。汽水,淡水や洞穴性の種類も知られていて,汽水にすむものでは淡水域に侵入し,そこでも生息するものが知られ,またかつて海と連なっていた湖沼が,後に海との連絡が断たれ,淡水化した湖沼に海跡動物として陸封されたイサザアミなどが知られている。雑食性で小動物を捕食したり,微細なデトリタス(有機残骸)なども摂取する。なお,アミをアミ目一般の呼名として用いることもある。アミ目Mysidaceaはロフォガストル亜目Lophogastridaとアミ亜目Mysidaとに分けられ,前者は大型で深海産,約40種と少なく,形態的にもやや異なり,原始的な特徴を保有すると考えられている。後者は700種ほどで日本からはコマセアミなど約150種が知られる。
執筆者:蒲生 重男
フランスの作曲家,指揮者。1954年にパリ音楽院に入学して作曲をミヨー,アナリーゼをメシアンに師事。その後バーゼル音楽学校でブーレーズに師事し,指揮を学ぶ。67年以降,ブーレーズの後を引きついで,パリのドメーヌ・ミュジカル(現代音楽コンサート)の音楽監督,指揮者となり,76年から新フランス放送フィルハーモニーの常任指揮者にも就任。シェーンベルク,ウェーベルンの十二音技法の影響を受けた作曲から出発したが,すぐにブーレーズの影響でミュジック・セリエルへと進んだ。彼の場合,音列は異なった音の高さの集合化といったやり方でとらえられている。その作品は音色の集合化といった構造をもち,音色の配分,音色の運動性といった特色をもつ。《二つのオーケストラのためのアンティフォニー》(1963),オーケストラのための《歌》(1968),バイオリンとオーケストラのための《弾道》(1966),12人の独唱による《レシタティーフ・アリア・バリエーション》(1970)などの代表作がある。
執筆者:秋山 邦晴
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節足動物門甲殻綱アミ目に属する水生小動物の総称。イサザあるいはコマセとよぶ地方もある。体長は深海種のなかには10センチメートル以上に達するものもあるが、一般には1センチメートル内外である。元来はすべて海産であるが、海跡湖沼には淡水や汽水に適応した種が少数ながら知られている。沿岸、沖合い、浅海、深海など、あらゆる海洋環境に約750種が記録されているが、近年でも新種の記載が相次いでいる。日本近海からは約150種が知られており、そのうち淡水ないし汽水産のイサザアミNeomysis intermediaやニホンイサザアミN. japonicaなどのほか、海産のコマセアミAnisomysis ijimaiなども漁獲対象とされ、佃煮(つくだに)、塩辛(しおから)、飼料などにされるほか、釣りの撒き餌(まきえ)に利用される。また、自然界では魚類の天然餌料(じりょう)として重要な存在である。
体形はエビ類によく似ているが、頭胸甲は第3胸節以降では胸節と融着しないこと、8対の胸脚は内外の両肢(あし)に分かれ、そのうち第1、第2対の内肢が顎脚(がっきゃく)に変形していること、尾肢(びし)の内肢に平衡胞をもつこと、雌は胸部の腹側に保育嚢(ほいくのう)をもつことなどによって区別される。卵は成体とほぼ同じ形態になるまで保育嚢中で発育し、母体が脱皮すると同時に外界に出て自由生活をする。保育期間は種類によって異なるが、温水性の種で4~5日、冷水性の種で2~3か月である。保育嚢を出て完全に成長するには1~数か月かかり、各体節の比率や形状、棘(きょく)数など成長の変化が多く、分類に際して注意が必要である。寿命は暖海のものでは数か月から1年、寒海や深海のものでは1.5~2年あるいはそれ以上と考えられる。
[武田正倫]
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出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報
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