ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アサッシン派」の意味・わかりやすい解説 アサッシン派アサッシンはAssassins イスラム,シーア派の一分派イスマーイール派より 11世紀末にさらに分派したニザール派の別称。ハサン・イブヌッ・サッバーフの指導のもとにイラン北部エルブールズ山中のアラムートに難攻不落の山城を構え,よく訓練した暗殺組織フィダーイー Fidā'īをもってセルジューク朝,十字軍に対抗。 12世紀なかばにはその勢力はシリア,レバノンからアフガニスタンにまで及んだが,1256年フラグ (旭烈兀)が率いるモンゴル軍の攻撃の前に滅んだ。アサッシンという名はアラビア語のハシーシーン hashīshiyyīn (麻薬を用いる人々) に由来するとされ,十字軍の将士たちが,中近東における麻薬吸飲の習慣をニザール派暗殺者に結びつけてヨーロッパに伝えたもの。現在なお同派の信徒はイラン,シリア,中央アジア,インドに居住しており,ムンバイ (ボンベイ) に居を構えるイマーム,アーガー・ハーンに従っている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by