アラムート(その他表記)Alamūt

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラムート」の意味・わかりやすい解説

アラムート
Alamūt

イラン北部,エルブールズ山中アラムート渓谷の険阻な岩山上に建てられていたアサッシン派城塞元来近辺のダイラム地方 (→ダイラム人 ) の王によって建てられたと伝えられ,その名称はダイラム語のアールフ・アームート Āluh Āmūt (わし教示) に由来するという。 1090年にハサン・イブヌッ・サッバーフ占拠して以来約 150年間,アサッシン派の活動の根拠地であったが,1256年フラグ (旭烈兀)が率いるモンゴル軍によって破壊された。

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世界大百科事典(旧版)内のアラムートの言及

【ダイラム】より

…タバレスターン,ゴルガーンを支配したジヤールZiyār朝(927‐1090ころ),東方イスラム世界の盟主となったブワイフ朝,さらには中央イランのカークワイフKākwayh朝(1008‐51)は,いずれもダイラム人自らが建てた王朝である。11世紀の末には,ダイラム地方の中心地アラムートAlamūtがニザール派のハサン・サッバーフの手に落ち,フレグのモンゴル軍に滅ぼされるまで難攻不落を誇った。ニザール派教団の刺客フィダーイーとなったダイラム人も多い。…

【ハサン・サッバーフ】より

…その後イラン各地で宣教活動に従事。90年イラン北部エルブルズ山中の要害アラムートAlamūt城を奪取し,やがてダイラム,クーミス,クヒスタンおよびシリア方面に勢力を拡大した。94年ファーティマ朝カリフの後継者問題を機に,廃嫡されたニザールNizār(?‐1096)を支持して同朝と断絶し,ニザール派を形成した。…

※「アラムート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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