あだない(読み)アダナイ

デジタル大辞泉 「あだない」の意味・読み・例文・類語

あだ‐な・い

[形][文]あだな・し[ク]中世近世語
はかない。
「夢まぼろしのうき世―・い命と存ずるによりて」〈狂言六義・魚説法
あどない」の音変化。
物腰になまりあって、―・いところがかはゆらしいと」〈浮・御前義経記・八〉

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精選版 日本国語大辞典 「あだない」の意味・読み・例文・類語

あだ‐な・い

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]あだな・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. [ 一 ] はかなく頼りない。
    1. [初出の実例]「蜉━(蝣)は朝生暮死ものぞ、人間世のあたないにたとゆるぞ」(出典:古文真宝桂林抄(1485頃)乾)
  3. [ 二 ] ( 「あどない」の変化した語 ) 人の性格態度が無邪気であどけない。罪がない。
    1. [初出の実例]「あたないと名にこそたてれ児桜〈常之〉」(出典:俳諧・懐子(1660)二)

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