アダ群(読み)アダぐん(その他表記)Ada Gruppe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アダ群」の意味・わかりやすい解説

アダ群
アダぐん
Ada Gruppe

カロリング王朝期の約 10冊の写本,象牙浮彫の作品および画家,象牙師の一群カルル大帝の妹,トリールの女子修道院長アダが寄進した福音書にちなんで命名された。宮廷を中心とする画派で,ゴデスカルクによって指導され,古代風の肉づけ,光と影の印象性を採用し,古代風の建築や枠組みに配し,カロリング・ルネサンス一翼となる。象牙浮彫は,写本ミニアチュールの様式に従っている。作品『ゴデスカルクの福音書』 (8世紀末,パリ国立図書館) ,『アダの福音書』 (トリール市立図書館) ,『ソアソンの聖メダールの福音書』 (パリ国立図書館) など。

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世界大百科事典(旧版)内のアダ群の言及

【カロリング朝美術】より

…当時主流であったのは浮彫で,多くの象牙製の装幀板や二連板が残存する。代表例は《ロルシュの福音書装幀板》(810ころ),《カール禿頭王の祈禱書装幀板》(869以前)などであるが,様式上それぞれ,アダ群,ランス派写本との関連が指摘される。しかし,ザンクト・ガレン修道院などではゲルマン的抽象性の残る作品も作られた。…

※「アダ群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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