化学辞典 第2版 「アッカーマン効果」の解説
アッカーマン効果
アッカーマンコウカ
Ackermann effect
熱および物質移動が起こる現象において,それぞれの移動速度が小さい場合には,それぞれの移動現象が独立していると考えてもよい.しかし,蒸発あるいは凝縮操作において見られるように,境膜における物質移動による蒸気の顕熱移動量が境膜伝熱による熱移動量に比べて無視できない場合,この影響を考慮する必要があり,これをアッカーマン効果という.凝縮の場合には物質移動により伝熱量は増え,伝熱量qは,
となり,また,蒸発または乾燥の場合は,物質移動により伝熱量は減り,伝熱量qは,
となる.ここで,
a = qCV/h
であり,hは物質移動が存在しないときの境膜伝熱係数,CV は熱容量,tと ti はそれぞれ気相および気-液界面の温度である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報