アフマドブントゥールーン(その他表記)Ahmad b.Ṭūlūn

改訂新版 世界大百科事典 の解説

アフマド・ブン・トゥールーン
Ahmad b.Ṭūlūn
生没年:835-884

エジプトシリアを支配したトゥールーン朝の創始者。在位868-884年。トルコ系の奴隷軍人を父としてアッバース朝軍内で頭角を現し,868年,エジプトに派遣されそこで実権を握る。アッバース朝の実力者ムワッファクとの闘争において,ムワッファクがザンジュの乱に忙殺されていたことに助けられ,シリアとエジプトに,アッバース朝の宗主権を認めながらも事実上独立した国家を建設した。彼の成功はトルコ人,スーダン人などからなる強力な奴隷軍と巧みな内政によるエジプトの経済力の向上が大きな要因となっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 湯川

世界大百科事典(旧版)内のアフマドブントゥールーンの言及

【トゥールーン朝】より

アフマド・ブン・トゥールーンの創始したエジプト・シリアにまたがる王朝。868‐905年。…

※「アフマドブントゥールーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む