改訂新版 世界大百科事典 「アフロピテクス」の意味・わかりやすい解説
アフロピテクス
Afropithecus
ケニア北部,トゥルカナ盆地のカロディール,ブルクなどで発見された1700万年前の化石類人猿。1986年にR.リーキー,M.リーキーによって記載された。アフロピテクス・トゥルカネンシスA.turkanensis1種を含む。P.アンドリュースとL.マーチンによってサウジアラビアで発見されたヘリオピテクス・リーキイHeliopithecus leakeyiもこれに含まれるのではないかとする意見もある。時代的に先行するプロコンスルProconsulに比べ,より厚いエナメル質,前方に突き出した大きな中切歯,発達した矢状稜(側頭筋の付着部)をもつ。これらは硬い果皮をもつ果実食への適応とされている。体の大きさは小柄なチンパンジー程度である。
執筆者:中務 真人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報