日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロコンスル」の意味・わかりやすい解説
プロコンスル
ぷろこんする
Proconsul
化石類人猿の一族。1930年代以降、東アフリカのケニアやウガンダの第三紀中新世の地層から頭骨や多数の歯、顎骨(がくこつ)片、四肢骨が出土しているが、これらはゴリラやチンパンジーの祖先とみなされた。当時、ロンドン動物園にコンスル(領事)という名の人気者のチンパンジーがいたが、それにちなみ、プロコンスルという属名が与えられた。これらはアフリカヌスP. africanus、ニアンゼP. nyanzaeおよびマジョールP. majorの3種に分けられる。いずれも現生類人猿程度の大きさであったが、眼窩(がんか)上隆起は弱く、腕渡りも下手であったと考えられる。最近はドリオピテクスのなかに統合され、そのなかの亜属を形成するものと考えられている。
[香原志勢]