アブハズ・アディゲイ諸言語(読み)あぶはずあでぃげいしょげんご

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アブハズ・アディゲイ諸言語
あぶはずあでぃげいしょげんご

カフカス地方北西部で使われている一群の言語。すなわちアブハズ語アディゲイ語、カバルディ語チェルケス語とも称される)、アバザ語およびウビフ語である。なかでも最北西に位置するのがアディゲイ語で、ロシア連邦のアディゲア共和国で使われ、話し手は約10万人、その南東ジョージアグルジア)のアブハジア自治共和国にアブハズ語(アブハジア語、約8万人)、その東のロシア連邦のカバルディノ・バルカリア共和国その他にカバルディ語(約32万人)があり、アディゲイ人もカバルディ人もともにアディゲイと自称する。アバザ語は、アブハジア自治共和国の北、ロシア連邦のカラチャエボ・チェルケシア共和国で使われ、話し手は約2万5000人。ウビフ語はかつてアディゲア共和国で使われていたが、1864年ウビフ人はロシア人に圧迫されてトルコに移住し、現在ではその固有語を失ったようである。これらの諸言語は子音がきわめて多く(70~80にも及ぶ)、他方母音がきわめて少ない(二つあるいは一つとする人もいる)のが特徴的である。なお、互いに密接な親族関係を有し、北西カフカス語派を形成し、さらにこれは北東カフカス語派とともに北カフカス語族を形成すると一般に考えられている。

[田中利光]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む