世界遺産詳解 「アプラヴァシガート」の解説 アプラヴァシガート【アプラヴァシ-ガート】 2006年に登録された世界遺産(文化遺産)で、モーリシャスの首都ポートルイスにある、移民受け入れに使用された建造物群。1834年、イギリス人の農園主たちは、奴隷に代わる労働力として、インドからの移民の輸送などを整備した。この仕組みを「契約労働」といい、労働者は「クーリー」と呼ばれた。この受け入れ施設は当時、「クーリー・ガート」と呼ばれ、ここを通って砂糖プランテーション(大規模農場)に送られた。また、ここを中継して、レユニオン島、オーストラリアなどに送られることもあった。ここを通った労働者は50万人に上るとされる。1849年に造られた建造物群のうち、現存するのは1割強で、波止場、病院、厨房、トイレなどが部分的に残っている。アプラヴァシ・ガートは、世界遺産のなかでも「負の遺産」とされるものの一つで、国際的な労働力大移動の先駆けとなった証しとして評価され、登録された。◇英名はAapravasi Ghat。アプラヴァシ・ガートとは、ヒンドゥー語で「移民の駅」の意味。 出典 講談社世界遺産詳解について 情報