コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

輸送 ユソウ

4件 の用語解説(輸送の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

ゆ‐そう【輸送】

[名](スル)車・船・航空機などで人や物資を運ぶこと。「救援物資を輸送する」

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

ゆそう【輸送】

人や物の移動を指して交通という場合も多いが,ここでは主として,人や物資を人力を含めた運搬手段によって移動することを運輸,輸送として扱い,世界の古代より近代に至る歴史形成において日本,中国,ヨーロッパ,中東を例としながら,輸送がそれぞれの地域でどのように営まれてきたかについて述べる。それはとりもなおさず,各地域の歴史展開の全体像と分かちがたく結びついたものであり,輸送路,輸送手段,輸送業などのありようにかかわってくる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

ゆそう【輸送】

( 名 ) スル
乗り物で人や物をはこぶこと。 「兵員を-する」 「海上-」 → 運輸(補説欄)

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

輸送
ゆそう

輸送とは、一般的に、人間の意志に基づく人および貨物の、社会的に公開された施設による場所的移動である、と定義される。
 人間の意志に基づく場所的移動とは、自然現象としての移動ではなく、人間がある目的をもって行う、場所的懸隔を克服するための移動であることを意味する。社会的に公開された施設による移動とは、同一経営体内部における生産、販売、業務そして学習などのための人および財貨の移動ではなく、公衆の利用できる公開された施設、たとえば道路、鉄道、船舶および航空などのような施設による移動であることを意味する。
 交通と輸送とは非常に類似した概念であるが、交通のほうが輸送より広範な内容をもっている。交通には、人および貨物の場所的移動に加えて、通信という人間の思想、感情および情報などの場所的移動が含まれている。[野村 宏]

輸送手段

人および貨物の場所的移動のためには、輸送手段が必要になる。輸送手段は通路、運搬具および動力という三つの労働手段から成り立っている。通路は場所的移動のための施設で、鉄道、道路、河川、湖沼、海洋、空路、パイプラインなどがある。運搬具は、これら通路によって、人や貨物という輸送対象を積載して場所的移動を行う労働手段であり、それぞれ利用する通路の物理的特性に対応し、鉄道客車・貨車、自動車、船舶、航空機などがある。動力は通路によって運搬具を移動させる手段であり、現在では、主として石油系動力、電気動力などの機械力が使用されている。輸送の長い歴史の過程では、帆船にみられるような風力、荷馬車にみられるような畜力、ときには荷車や人力車のように人力なども使用された。[野村 宏]

輸送サービス

輸送機関の生産する輸送サービス(用役)の特性は、他の商品生産の場合とは異なり、輸送対象になんらの物質的変化を与えず、ただ場所的変化をおこすのみであること。また、輸送サービスの生産過程は、同時にそのサービスの消費過程である。つまり、輸送は即時性をもつことに特徴がある。さらに、輸送サービスの特性を示す項目としては、高速性、迅速性、経済性、快適性、便利性、安全性などの項目があるが、国や地域によっては治安度をも加えることもある。
 輸送には、個人や企業が自己のために輸送する自家用輸送と、他人や他の企業のために輸送する営業用輸送の2種がある。具体的にいえば、自動車ではマイカーやカンパニー・トラックは自家用輸送を行い、タクシー、路線バス、観光バス、特別積合せトラック(1989年の規制緩和以前の道路運送法では、路線トラック)、一般トラック(規制緩和以前では、区域・貸切トラック)などは営業用輸送を行っている。鉄道、海運そして航空などにあっては、営業用輸送が圧倒的に多い。そして、これら営業用輸送を担当する企業が輸送企業であり、同一種類の輸送企業の集合体が各機関別の輸送産業である。[野村 宏]

輸送産業

近代的意味をもつ輸送産業の成立とその発展は、資本主義の発生、発展と密接な関係をもっている。資本主義成立以前には、主として自家用輸送が輸送の中心であったが、成立とともに自家用輸送から他人や他人の貨物の輸送を行う営業用輸送が分離独立し、鉄道や海運という近代的な輸送諸産業が成立した。蒸気機関の発明によって、鉄道会社、汽船会社が群出し、輸送産業は非常な隆盛を迎えた。さらに、20世紀に入ると、新しい技術革新としてガソリンエンジンなどの内燃機関が出現し、自動車輸送や航空輸送の諸産業が隆盛を迎えた。その結果、鉄道、海運という在来の輸送産業と、自動車、航空という新しい輸送産業の間の競争が生じたが、結果は、後者の有利のうちに推移している。
 日本国有鉄道のJR各社への分割・民営化も、鉄道輸送が、他の輸送機関と激しい競争関係に入り、陸上輸送市場における独占性を喪失した結果である。とくに、モータリゼーションの進行により、鉄道、路面電車、路線バスなどの公共的輸送機関の需要が減少し、過疎地域や都市の一部では、これらの輸送サービスの提供が停止される事態となり、いわゆる交通弱者the transportation poor問題が発生した。交通弱者とは、高齢者、子ども、妊婦、障害者そして貧困者などをさす。近年はとくに高齢者問題が大きくなっている。これらの人々のモビリティ(動きやすさ、可動性)を維持することが必要と判断された場合には、国あるいは地方自治体等が種々の努力を重ねている。補助金の交付、コミュニティバスの運営等がそれである。
 営業用輸送には、不特定多数の乗客や不特定多数の荷主の貨物を運ぶという公共性がある。そのため、運輸企業の参入および退出の規制、運賃水準および制度の規制、ダイヤなどサービス水準の規制など、政府による種々の規制が歴史的に課せられている輸送産業が多い。しかし、欧米を中心とした経済規制緩和の動向は、各国の運輸産業にも及び、運輸規制の廃止もしくは緩和が進行した。また、日本においても運輸規制は大幅に緩和されている。[野村 宏]
日本の規制緩和
日本における規制緩和deregulationは、1990年代より行われた。アメリカの場合と同じように輸送産業が先行し、その結果輸送業界に大きな変化が生じた。
 規制の理由は輸送産業の公共性にある。規制には、経済的規制(参入退出の規制、サービスの質の規制、運賃料金の規制)と、社会的規制(消費者保護、労働者保護、安全の確保、環境保全等)の2種がある。規制緩和とは前者の経済的規制の緩和をさし、この緩和に伴って、他方では社会的規制の強化が行われるのが一般的である。アメリカではデレギュレーションは文字どおり規制撤廃であったが、日本では規制緩和となっている点に特徴がある。
 規制緩和の進行をみると、1989年(平成1)の貨物自動車運送事業法、やや遅れて2000年(平成12)に航空法、また同年に鉄道事業法、2002年2月にバス、ハイヤー、タクシー等に関する道路運送法が、陸続として改正され規制緩和による法体系はいちおうの完成をみせた。その結果、参入退出規制による需給調整から市場依存へ、サービスの自由化によるルートの新設・撤廃の自由化、運賃料金規制の緩和による弾力化などが行われた。そして一方では、各輸送産業において、運賃料金の低下、サービスの向上などの積極的効果がみられた。しかし他方では、輸送市場への企業の過剰参入、その結果としての経営状態の悪化、収益力の低下による賃金水準の低下、長時間労働・長時間運転の発生など、労働条件の低下、ときには重大事故の発生といった安全性の低下などがみられるようになった。また、需要の少ないローカル地域への航空・鉄道・バスの路線廃止といった供給途絶などもみられるようになった。そこで一部には再規制reregulationが必要とする意見も出ている。ともかく、社会存続のためのインフラストラクチャーとして、輸送の公共性を維持することは不可欠で、今後も慎重な調整を続ける必要がある。[野村 宏]

問題点

輸送が人および財貨の場所的移動である限り、運搬具の走行に伴う公害が生ずる。排ガスによる大気汚染、排出油による海洋汚染、道路沿線や空港周辺の騒音・振動、さらには電波障害などがそれであり、各輸送機関にはこうした公害を抑制するための社会的規制が課され、それぞれの産業はその防止に努力している。[野村 宏]
『野村宏著『輸送産業』(1980・東洋経済新報社) ▽塩見英治編著『交通産業論』(1994・白桃書房) ▽内橋克人他著『規制緩和という悪夢』(1995・文芸春秋) ▽中条潮著『規制破壊――公共性の幻想を斬る』(1995・東洋経済新報社) ▽野尻俊明編著『知っておきたい流通関係法』(1998・白桃書房) ▽日本交通学会編『交通経済ハンドブック』(2011・白桃書房)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の輸送の言及

【交通】より

…人や物の空間的移動をさし,広義には情報の伝達である通信を含めるが,人や物の移動は運輸,輸送あるいは運送などと呼んで,通信と区別することが多い。
【歴史】

[古代・中世]
 人はそれぞれ生活の場をもつ。…

※「輸送」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

輸送の関連キーワード交通接見交通棚卸熱伝達生成物戸板指箸多汁性鉄症

今日のキーワード

ネコノミクス

猫が生み出す経済効果を指す造語。2012年に発足した安倍晋三内閣の経済政策「アベノミクス」にちなみ、経済が低迷する中でも猫に関連するビジネスが盛況で、大きな経済効果をもたらしていることを表現したもの。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

輸送の関連情報