波止場(読み)ハトバ

デジタル大辞泉 「波止場」の意味・読み・例文・類語

はと‐ば【波止場】

港で、波止はとを築いた所。埠頭ふとう船着き場。また、港のこと。
[類語]埠頭船着き場港湾船泊まり桟橋岸壁がんぺき築港海港河港かこう商港漁港軍港ハーバーポート

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精選版 日本国語大辞典 「波止場」の意味・読み・例文・類語

はと‐ば【波止場】

  1. 〘 名詞 〙 港の波止(はと)のあるところ。ふなつきば。埠頭(ふとう)。また、広く港の意味に用いることもある。
    1. [初出の実例]「波渡(ハト)場にてはしけ船え乗夫より乗船、船は二十梃櫓也」(出典島根のすさみ‐天保一一年(1840)六月二三日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「波止場」の意味・わかりやすい解説

波止場
はとば
pier

古くから使われたことばで、港で波止のある場所をさして波止場とよんでいる。波止の語源には諸説があり、中国語の馬頭・埠頭(ふとう)などから転訛(てんか)したもの、あるいは泊(ハテ)から転じたものなどがあげられている。

 一般に海中へ土堰堤(えんてい)を細長く突き出し、その表面を石材で被覆した構造物で、波を防いで靜穏な水域をつくり、貨物の積み下ろしを行った所であり、現在でいえば、防波効果を含めた小型の突堤式物揚場、あるいは背後の運上所(税関)などの陸上施設を含めた突堤式埠頭に相当する。小型船は波止場で直接荷役が可能であるが、大型船は水深の関係から接岸は困難で、小型船を利用した沖荷役となる。

 現在の横浜港の大桟橋付近には、幕末の開港時において東波止場、西波止場が幕府により築造されていた。港湾施設が近代化へ向かう明治20年代以前の名残(なごり)の一つでもあったといえよう。

[堀口孝男]

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デジタル大辞泉プラス 「波止場」の解説

波止場

1954年製作のアメリカ映画原題《On the Waterfront》。監督:エリア・カザン、出演:マーロン・ブランド、エバ・マリー・セイント、ロッド・スタイガー、カール・マルデンほか。第27回米国アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞(マーロン・ブランド)、助演女優賞(エバ・マリー・セイント)、脚本賞、美術賞(白黒)、撮影賞(同)、編集賞受賞。

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世界大百科事典(旧版)内の波止場の言及

【埠頭】より

…岸壁,物揚げ場,桟橋などの係船岸を中心に,船舶係岸用の水面および旅客の乗降施設,貨物の積卸し,荷さばき,貯蔵ならびに臨港交通施設を配置した陸域一帯であり,海陸輸送の転換が行われる機能を果たす港湾の中で,もっとも重要な部分である。明治初期までは,波止(はと)もしくは波止場(はとば)と称していたが,水面が静穏であることと同時に,荷役・輸送の機能が重視されるようになって,明治22年横浜港築港以後は埠頭の名が広く用いられている。 旅客,貨物がこの空間を通過するのに,多くの時間と費用と労力を要するので,船舶の種類,輸送の対象物に合わせて位置,形状ならびに諸施設の種類と規模を定め,これらを合理的に配置しなければならない。…

※「波止場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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