改訂新版 世界大百科事典 「アメリカンブランズ会社」の意味・わかりやすい解説
アメリカン・ブランズ[会社]
American Brands, Inc.
アメリカの大手タバコ・メーカー。近年は消費財を中心に非タバコ部門を拡充している。本社ニューヨーク。1890年アメリカのタバコ王J.B.デュークが紙巻きタバコ会社5社を統合してアメリカン・タバコ社American Tobacco, Co.を設立したのに始まる。同社は1904年コンソリデーテッド・タバコ社,コンティネンタル・タバコ社と合併したが,11年反トラスト法により分割された。このとき分離された子会社には,現在世界最大のタバコ・メーカーであるブリティッシュ・アメリカン・タバコ社,アメリカ最大のR.J.レーノルズ・インダストリーズ社R.J.Reynolds Industries, Inc.などがある。69年アメリカン・ブランズと社名を変更。主力銘柄はPall Mall,Carlton。1960年代から経営の重点を非タバコ部門に移しており,66年サンシャイン・ビスケット社,67年ジム・ビーム・ディスティリング社(バーボンで全米1位),68年ダフィ・モット社(ジュース。ただし1982年売却)などを合併している。国内の紙巻きタバコ市場シェアは減少傾向をたどるが,75年イギリス第2位のタバコ会社ギャラハー社Gallaher Ltd.を買収した。97年社名をフォーチュン・ブランズFortune Brands, Inc.と変更。現在では家庭用品,事務用品,酒類などを主に扱っている。売上高73億ドル(2004年12月期)
執筆者:北井 義久
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報