改訂新版 世界大百科事典 の解説
アメリカン・プレジデント・ラインズ[会社]
American President Lines
アメリカの定期船会社。略称APL。政府と航路補助契約を結んで,もっぱら極東および東南アジアとアメリカ太平洋岸とを結ぶ定期航路を経営する。1929年創立。現在はナトマスNatomas社の子会社になっている。第2次大戦後の48年から政府と航路補助契約を結び,50年代後半には20ノット級の高速マリナー型貨物船を太平洋航路に導入し,他の外国船隊を圧倒した。56年に全株式の54%余りになる230万株がナトマス社に買収されて,ナトマスの傘下に入った。ナトマスは79年に残る46%の株式も買収して,APLの全株式を保有した。APLは,1977年からアメリカ北太平洋岸-極東航路,カリフォルニア-極東航路,カリフォルニア-東南アジア航路,そしてこれら定期航路に接続するアメリカ大陸横断のライナートレーンlinertrainの経営に集中している。同社の保有船隊は85年末現在,フルコンテナ船17隻と若干のコンテナ積載能力をもつ多目的船5隻から成る。このほかに,不稼働状態にあるコンテナ船が1隻ある。
執筆者:織田 政夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報