日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリ動物」の意味・わかりやすい解説
アリ動物
ありどうぶつ
myrmecophiles
ant-guests
一生あるいは発育の一時期にアリの巣内にすみ、共生生活をする動物(食客)をいう。アリとアリ動物の関係はさまざまで、ある種のハネカクシ(甲虫類)のように弱ったアリや幼虫を捕食し死骸(しがい)などを食べるもの、アリスシミやアリヅカコオロギなどのように、アリからは無関心に扱われるがアリの分泌物をなめ取ったり餌(えさ)をかすめたりするもの、アリの好きな液を分泌して与え、かわりにアリの保護を受け、巣に運ばれたり餌を与えられて養われる真の共生者まである。最後の段階のものはアブラムシ類やカイガラムシ類、一部のシジミチョウの幼虫、甲虫類に多くみられる。世界で2000種以上知られている。
[中根猛彦]